ミラノオート野田です。
「高額修理に繋がりやすい」
故障の1つにオーバーヒートがあります。
大きな出費になる前に、的確な判断と対策を取ることが得策です。
外車がオーバーヒートした時、
「症状?」
「原因は?」
「対策は?」
「修理費用は?」
これらの4つについてお話していきます。
その前に外車はなぜオーバーヒートしやすいのか?
についてですが、
日本車に関しては技術の進化により「普通」に乗っている分には
「オーバーヒート」と言った故障は少なくなっています。
しかし外車に関しては、国産車とは「普通」の基準がちがうので
今でも「オーバーヒート」が起きています。
カンタンに説明すると生産している国の環境の違いから
日本車とはクルマの設計段階からの考え方が違うからです。
緯度が高いヨーロッパは日本よりも気温が低く
平均速度も高いのが普通です。
つまりクルマの設計段階での普通が全然違っているのです。
具体的には、
ヨーロッパは気温が低く高速走行が多いのでエンジンが冷えやすく
冷却水の温度を国産車よりもはるか高く設定しています。
効率から考えてもエンジンは燃料を燃やしてエネルギーを得ているわけで、
わざわざ冷やして火が付きにくくする事は燃費の悪化にも繋がるからです。
メルセデスやBMWなど外車は、普通に乗っているだけで
水温計が100度を超える設定で考えられているのです。
このように設計されたクルマを日本の気温が暑く、ストップ&ゴーの多い環境で
使用するのでオーバーヒートの可能性は高くなるワケです。
症状
オーバーヒートの具体的な前兆は、以下の3段階に分けられます。
1.初期症状
・水温計の針がHよりになる
・いつもより速度が遅く感じる
・冷却水の甘い臭いがする
・エンジンルームから臭いがする
この時点で適切に対処できていると、車へのダメージは最小限に抑えられるので
余分な修理費用もかかりません。
2.中期症状
・水温計の針がHを超える
・アクセルを踏むと「カラカラ」音がする
・エンジンのかかりが悪い
・ボンネットから煙が出る
中期症状で気づかなければダメージが進行し、高額な修理費用がかかる可能性があります。
エンジンが故障してしまう前に、なるべく早く点検しましょう。
3.末期症状
末期症状になると以下のように、危険な状態が現れます。
回転数が安定しない
アイドリングができない
異音がする
エンジンが停まる
エンジンが故障してしまうと、高額な修理費用が掛かりますので
すぐに専門の業者に連絡しましょう。
原因
車がオーバーヒートする主な原因は以下の2つが考えられます。
冷却システムの故障
車がオーバーヒートする原因として、冷却システムの故障・不具合が考えられます。
冷却系の主な故障・不具合を以下にピックアップしました。
・冷却水が減っている
・サーモスタットの故障
・ラジエーターの故障
・ウォーターポンプの破損
・冷却用電動ファンの故障
チェックポイントを把握しておくと、トラブルを未然に回避できます。
定期的なメンテナンスを必ず行いましょう。
潤滑システムの故障
車がオーバーヒートするもう一つの原因は、潤滑システムの故障です。
エンジンオイルの定期的な交換を怠ると、以下の症状によりエンジンの不具合が発生します。
・部品が摩擦を起こし歪みが生じる
・冷却ができなくなる
・サビと腐食が発生する
オイルが劣化すると各部品の潤滑が悪くなり、深刻なダメージを引き起こします。
オイル交換は定期的に実施して、コンディションを良好に保ちましょう。
対処方法
・安全な場所にクルマを止める「なるべく日影が良い」
・水温計がHを超えていない場合、アイドリング状態で様子を見る
・水温が下がった場合は、走行可能だが、
すぐに整備工場で点検してもらう
・水温が下がらない場合、エンジンを完全に切り整備工場に連絡する
・ボンネットを開けてエンジンを冷やす
各冷却装置を確認する
専門的な知識が必要
冷却水不足の場合、補充すると解決する可能性がある
知識が乏しい場合や自信がないときは、すぐ業者に連絡を入れましょう。
対処を誤ると状況が悪化する可能性があります。
以下の場合は、買い換えも検討するのが得策です!
・初年度登録から10年以上経過している
・走行距離が10万キロを超えている
乗り続けるべきか・買い換えるべきか?
修理する前に慎重に判断するほうが良いと思います。
修理費用
外車でオーバーヒートすると、最悪エンジンの載せ替えをしなくてはならず、
そうなってしまうと80万円以上の修理費用が必要になるケースが多々あります。
このような高額修理を避けるためにも、日頃から車の状態を把握しておきましょう。
定期的なメンテナンスを欠かさないようにし、
少しでも異常を感じたらすぐ整備工場に相談してください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ミラノオートサービス株式会社
野田 拓志